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「ふふ、どうしたの?」

「ん〜なんか、触りたくて…。ダメだった?」

「そんなことないよ。」


ニコっと微笑むと、片岡くんが困ったように眉毛を下げて目を逸らした。小さく溜息をつくとそっぽ向いたまま「ほんとずりぃな…。」そんな呟きに耳を澄ませた。ずりぃ?なんで?


「可愛い…。ゆかちゃんが隣で仕事してるだけで俺嬉しくて…。どんどん好きになる。」

「片岡、くん…。」

「あのさ…。」

「え?」

「直人って呼んで欲しいんだけど、ダメかな?」

「…ナオト?」

「…やべぇ。これから俺のこと、直人って呼んで欲しい…。」

「…うん。直人くん。」

「くんはいらねぇけど、今はそれで十分。サンキュー。」


キュって握った手に力を込める直人くんに私も握り返してみた。私を見て照れくさそうに笑うと「顔見ると言いたくなる。」低い声に瞬きをすると、優しく微笑んで「好きだよ。」小さくそう言った。やっぱり胸がキュッとして、頬が熱くなる。好意を寄せられて嫌じゃないのは、好きになる前ぶれなんだろうか?いつかは、私も好き!なんて返す日が来るのだろうか?



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