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絵になるモテ男、黙っていてもモテる男は、言葉よりも態度で示すものなんじゃないかって。例えばそう、面と向かって「好きだ」と言われたら誰だって意識をする。生理的に受け付けないと思う相手じゃなければ、自分を好きだと言ってくれたら嫌な気分じゃないし、少なからずそーいう目で見ちゃうもんなんじゃないだろうか。直球で想いを伝えられたらそりゃね。だけどここにいる黙っていてもモテるあの男はそう、好きだとか愛してるとか、付き合おうとか、そんなありきたりな言葉は口にしないであろう。それでも彼女の心を奪ったのはそう、この男の態度だ。
決して恋愛に向いているとは思っていない自分よりも、直球で想いを伝えてくる最大のライバルに心が揺れていた彼女の背中を押すなんてとんでもない。普通の男ならできない。ましては自分の相手なんじゃないか?って思っていた矢先に。それができるからかっこいいってことはない。ただ、普通の男ができないようなことをやるこいつは、やっぱり男の僕が見てもかっこいいと思う。

彼女がこの男、清木場俊介の魅力に本当の意味で気づくのはもう少し先のお話。

ここにいる彼女に、この歌を捧げる前に俊ちゃんが何を言ったのかはもう少し先のこと。泣いてる彼女を抱きしめたいってオーラ出しちゃってさぁ。全くほんと世話の焼ける相方だこと。

馬鹿みたいに想いあってる二人を見てると自然とこっちも幸せになれる。だから僕にも運命のヒトを…ね、神様。



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