「なんとも思ってない女自分のベッドに寝かせるんですか?」
「…面倒くせえなお前。」
「女なんてみんな一緒です。」
「そう、かもな…。さっきは悪かった、言いすぎたよ。」
ふわりと清木場さんの温もりに包まれた。玄関のドアの前、後ろから片手で私を抱く清木場さんの筋肉質な腕をギュっと掴む。くるりと振り返った私はきっと耳まで真っ赤に違いない。でもそんな私を見て「泣き虫。」なんて笑う清木場さん。そっと私を離すとポスっと頭を撫でてそのまま腕を掴んで歩き出す。
「朝飯ちゃんと作れよな。」
そう言ってリビングに戻された。篤志さんがニッコリ微笑んでくれてちょっと心が落ち着いたんだ。
「…何もないじゃないですか、冷蔵庫!」
「あーそうかも。料理しないからなぁ、普段。後で適当に買ってきてよ?」
「…え?」
「いや、一緒に行く。」
「…はい。とりあえず作るんで座っててください。」
「おー。」
わざわざ一緒に行くって言い直すとかずるい人だなぁ。そしてそれを喜ぶ自分も単純すぎるって。これって梨奈に報告するべきだよね…。