「適当って?」
「それとも、俺の穿く?」
「滅相もないです!清木場さん絶対私のことからかってる!」
私ってば余計なこと話してないよね?まさかとは思うけど。困った顔の私を見て楽しそうに微笑む清木場さんはポンっと一つ私の肩を叩くと「モテキなんやろ?よかったな。」そう言ったんだ。最低、ペラってんじゃん。白目向きそうなぐらいドン引く私を見て、お腹を抱えて爆笑する清木場さんはそのままゴロンとベッドに転がった。もうだめだ、耐えられない。一刻も早く親友梨奈に【第4出動】をかけないと!って思いながらもベッドから出た自分の恰好にこれまたぶっ倒れそうになった。服は着ているものの…
「しゃ、シャワーお借りしまっす。」
鏡の前の自分は、なんていうかその…。カアーっと全身熱くて顔が赤くなる。
「これ、清木場さんのシャツじゃん。」
私が着ていたのは清木場さんのと思われる白シャツだけで。確かに誕生祭でワンピースを着ていたはずなんだけど、そんなものはどこにもなかった。溜息をついたのもつかの間、ガチャリという音と共に「え。」ドアが開いたのは正面で。
「あ、保科ちゃん。おはよう!」
全裸の篤志さんがシャワーを浴びて出てきたんだった。
「ぎゃあああ、ごめんなさい、すぐ出ます。」
篤志さんが何か言ってたけど耳になんて入らなくて。見ちゃった、見ちゃった。光一以外の人の、見ちゃったよ!!軽いパニックの私は動いたら墓穴を掘ると思ってリビングにちょこんと座って待つことにした。
すぐに篤志さんが出てきて、服を着ていたことにホッとする。
「すいませんでした。」
「いいよ、いいよ。どうせ俊ちゃんが言ったんでしょ?あの人たまに仕返しするんだよね。こーいうのって僕のが得意分野なのに、ほんとココって時にわざといたずら仕掛けてくるから腹立つよー。気にしないでね、保科ちゃんは。シャワーどうぞ?」
スッてスマートに洗面所を指さす篤志さんにペコリと頭を下げて私はもう一度シャワーを浴びに行ったんだ。