あいたた、頭いったい。身体だるい。なにこれ…。パチっと目を開けるとそこはモノトーン一色。は、うそ、ここどこ?脳内は急速に起き始めているものの、身体は思ったように動けなくて。ドキドキして吐きそうなんだけど。ここ、どこ?…なんとなく一人じゃない気がして、そっと寝返りをうつと、そこには…「き、き、き…。」もはや声にならない心の叫び、清木場さんっ!?なんで、一緒に寝てんの?あ、ありえない…。スヤスヤ綺麗な寝顔で子供みたいに眉毛を下げて寝ている清木場さんが寝返りをうったから慌てて私もくるりと清木場さんに背を向けた。…――いつ、目覚めればいいの?てゆか、篤志さんは?ここきっと清木場さんの部屋だよね?あーもう、どうしたらいいの?自問自答していた私に、不意にトンっと背中に温もりが…。きゃああああああ!!!助けて。なんて叫びは当たり前に声に出せず。
「おい、起きてんだろ?」
寝起きのちょっと掠れた清木場さんの声にビクっと背中を震わせた。無言で動けない私に後ろからクックックックって笑っている清木場さん。
「保科、こっち向けよ。」
「む、無理です。」
「なんで?」
「だって、朝起きて清木場さんのベッドだなんて許されない。」
「あほう、お前が飲んでる席で爆睡したんやから仕方ないやろ。家も分からんし、うち連れてくるしかなかったぞ。」
「…寝たんですか私。」
「あーもう、全く起きひんかった。」
「…すいません。酒と煙草の煙吸いすぎると、寝ちゃう傾向があったの忘れてました。」
「あんだけ叩いても起きん奴も珍しくて、ちょっと笑えたわ。」
「…ご迷惑おかけしました。」
「んじゃ朝飯作ってよ?そんでチャラにしてやる。」
「喜んで作らせていただきます。」
「先にシャワーするか?」
「…いいんですか?」
「今更やん。」
「じゃあすみませんがお借りします。」
「あー着替えは篤志に買わせたから適当に使えよ?」
…着替え!?なにそれ。思わず振り返ると、パッチリ目のあいた清木場さんと目があった。トクンと心臓が脈打つ。