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「やったじゃん、人生初のモテキ!」

「………。」


定期的に行われる梨奈との定例会。と言ってもアフターに一緒にご飯を食べるだけだけど。高校の時からの大親友である私達はこうして顔を見て話すことでお互いに癒しを貰っている。友達の中でも昔っから梨奈は別格だった。結局いつもの場所でいつもの時間にいつものメニューを繰り返す私達。二週間前と同じナスのトマトパスタを頬張る梨奈が笑顔でそう言ったんだ。


「で、どっちを選ぶの?」

「…どっちって清木場さんはそんな対象じゃないじゃない。」

「じゃあカタオカ?」

「だから呼び捨てにしないで。」

「ごめんごめん。カタオカくんね。こっちも言いずらいなぁ。下の名前は?」

「直人。」

「ナオトね、ナオト。ナオトはどんな人?」


まるで他人事。まぁ当たり前だけど。でも私の人生初のモテキに相当テンションがあがっている様子。って、人生初かなんてわからないじゃない?これでも幼稚園の時はそこそこ可愛かったんだからね。内心ブスっとしながらも、目をランランとさせている梨奈を見ると、色んなパワーが減少していく。


「いい人だよ、優しいし面白いし、そこそこかっこいいし。」

「えーわかんないそれじゃ。写真ないの、写メ。」

「あるわけないでしょ?」

「なんだよつまんない。次に会う時までに絶対写メ撮ってきてよ!親友に見せるからって。」

「………。」

「はぁ〜。それにしてもゆかの魅力がちゃんとわかる男が二人もいて嬉しいねぇ。」


…ずるい、そんな言い方。見ると梨奈は本当に嬉しそうに微笑んでいて。


「梨奈…。」

「ちゃんと幸せにしてくれる方を選びなさいな?」

「…うん。そうする。」


あくまで梨奈の中では清木場さんも私の相手候補みたいだけど、それでも私の幸せを願ってくれる梨奈の優しさが単純に嬉しかったんだ。



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