SHORT | ナノ


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「いやあかんでぇ!授業でな怒るで、」


無理やり陣くんに腕を引っ張られるあたしを「ちょっと触んないでよ、俺のに。」健太がジロリと睨みつけた。


「いやいや触りたくて触ってるんちゃうわ!こっちかて。」
「陣に触られたってゆき乃に言っちゃおうかなぁあたしぃ…。」


超絶煩かった陣くんが一気に静かになった。ゆき乃効果あり、ふふ。


「ちょう待てって立花。そらあかん。それはあかんやろ。」
「じゃあ健太と帰る。邪魔しないでよー。」
「…あかん、それとこれとは話が別や!とにかく授業に出な怒られるから先生に。」


気持ち悪い涙目で言われても、なんとも思えないわけで。


「じゃあ仕方ないから陣くん貸し一個ね!」


健太がそう言うと、本当に仕方なく教室を出て行った。


「そもそもなんで分かったのよ?」
「いや公衆の面前で恥じらいもなくチューする馬鹿があるか!みんなしっとるわ!」


陣が文句を言うけどさ、自分だっていざゆき乃にチューされたら絶対動けなくなると思うんだよね。…最も美形しか選ばないゆき乃が陣にキスなんてするわけないだろうけど。



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