初めてが欲しい 

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「ちょっと待って!!!」


ムクリとベッドから起き上がった樹は、思いっきり肩を揺らして大きく呼吸をしていて。

涙目でわたしを見ると、苦笑い。



「イ、きそうだよ、ゆきみ。」



寝そべる樹のそこに顔を埋めて手と口で愛撫してたわたしの髪をポスっと撫でる。

真っ赤な顔で、真っ赤な目で潤んでいる樹が困ったように眉毛を下げた。

不本意ながら直人さんのとこから拝借してきたゴムを樹に見せるとまた赤くなる。


「…なんで持ってんの?」

「え、樹?」

「…やっぱ妬ける。ゆきみの過去も今も未来も全部、独り占めできたらいいのに…。」


…超絶キュンキュンする。


「樹だって彼女はいなくても、好きな子ぐらいいたよね?」

「…まぁいたけど。」

「じゃあそれもイヤ。わたし以外の人、好きになった過去も全部イヤ。」

「ずるい、ゆきみ。そういうこと言われると、すげぇ嬉しい…。」


わたしだって。すべての時間を独り占めしたいなんて、直人さんにだって言われてない。そもそもそんな感情持ったことなかったのに…。


「それ、つけて、早くきて。」

「…これどうやってつけんの?ゆきみ、つけてよ。」

「え、わたしが?」

「うん。つけんの初めて?」

「当たり前でしょ…。」

「じゃあ尚更つけて。ゆきみの初めてもっと俺にちょうだい。」


…可愛い。単純に可愛い。もうずるい。樹のこのピュアさには何も勝てない気がした。

だいぶ興奮気味の樹のソレに上から見よう見まねで被せて下にスルスルとおろす。


「うわなんか、ヌメってしてて変な感じ。」


顔をしかめる樹の上に跨ってギュっと抱きつく。


「慣れるまで我慢して?」

「うん。いっぱいしたら慣れるかな…。」

「…若いぞ樹!」

「それだけだから。あ、あとゆきみ愛。今の俺それだけ!はは。」

「ふは、わたしも樹愛って言った方がいい?」

「うん、言って。俺の事もっと好きになって。」


ふわりと髪を撫でると、下からギュっと抱きしめられてキスをする。

そのまま樹のソレを掴むと、舌をちゅるっと抜いてはぁって溜息。


「樹、力抜いてね、」

「…ンッ。」


沈むように樹の中に挿いるりこむわたしに、ギュっと抱きつく樹が可愛くて仕方がない。


「ハアっ、なんだよこれ。」


真っ赤な顔で薄く目を開けて大きく息を吐き出す樹に、更に奥まで腰を落とす。


「ちょっと待って、う、動かないで、」


はぁはぁ言いながら首を振る樹が可笑しくて、ちょっと斜めに腰を回すと「アアアッ!!」甘い声を漏らした。


「やばい、やばい、マジで待って。」


小刻みに首を振る涙目の樹の耳にちゅってキスをすると「マジで!!!」声を荒げた。

だからもうわざと腰をくるりと回して弾むと樹がクって身体に力をいれた。そのままゆっくりと何度か腰を動かすとギュっとわたしの胸元に顔を埋める。無言で力を込めた樹は、次の瞬間下半身を思いっきり震わせた。脱力したようにコテっとわたしに体重を乗せると、「…イったんだけど。」ムスっとした声でそう告げた。


「…うん。ごめん、樹が可愛すぎて。大好き。」


ギュっと抱きつくと、ふわりとわたしを抱き返す。


「それ反則。好きって言われたら全部許せちゃうじゃん。でも次は俺が攻めるから。」


ゆっくりとソレを抜くと、溢れんばかりの樹のソレをそっと外した。


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