声が聞きたい
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「本当に童貞?」
「…うん。なんで?」
「手馴れてるような気も、」
「ない。一度も。」
「一人でも?」
わたしの言葉に胸元に埋めていた顔をあげて苦笑い。ないわけないよね、さすがに。
「ないわけないでしょ。そこは至って普通の男だから。」
「ふは、樹可愛い。」
「嬉しくねぇ、それ。」
脱力したようにベッドに背をつける樹の上に跨った。スッと伸びてくる樹の手がわたしの胸の突起を指で転がした。
「どうすりゃ気持ちいいの?聞きたいんだけど、ゆきみの声。」
言っておいて照れて目を逸らす樹にゆっくりと身体を倒す。見つめる樹の目は微かに潤んでいて、首元に顔を埋めて耳に舌を絡ませると「ウッ、」小さく声を漏らした。
そのまま樹の耳朶をパクっとする。
「ピアス、取ってもいい?」
「はぁ、うん。なに、今の?」
「んー?耳、気持ちいいでしょ?」
「うん。ビクビクする、俺もしたい、」
「んー。して、」
横になってる樹の腕を引っ張って向かい合わせに座ると、ギュッと片手で軽く抱き寄せるとわたしの耳にちゅ、とキスをした。はぁってわざとなのか吐息を漏らすと、舌を耳の中に入れ込んだ。クネクネ舌を絡ませたり、ちゅってキスを繰り返す樹は、わたしの反応を見ながら楽しんでいて。
「樹、キスして。」
わたしの言葉に無言で視線を合わせると舌をニュルリと入れ込んだ。ゆっくりと胸に置かれた手を動かしてムニュっと揉んでいる樹に「ハアッ…。」と耳元で声を漏らすとほんのり口端を緩めて照れ笑い。
「可愛い。」
小さく呟いた後、首筋を通って胸にちゅ、と吸い付いたんだ。あぐらをかいた足の上にわたしを乗せた樹はピンとたった胸の突起をペロっと舐める。そのままチラっとわたしに視線を移す樹に、「ン、きもちぃ。」そう言うとほんのり笑ってまた舌で絡めた。
ジュルリと涎を吸い取るように突起を縁どって口に含むとそのまま貪りついた。
「アンッ、やっ、」
甘く舌を絡ませて首筋から耳へと移動する。ニュルリと舌を入れ込んで愛撫を繰り返す樹に必死にしがみついていた。
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