意地悪
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【said マイコ】
ベッドの中でまどろむこの時間がものすごく幸せなものなんだと思う。
隣で眠っている慎くんの銀色の髪をふわりと触ると「うーん、」甘く息を吐き出してパチっと目を開けた。
「あ俺、寝てた?」
「うん。今日忙しかったでしょ?」
「…マイコの寝顔見てないじゃん。」
「見せません、寝顔なんて。」
「俺の見たのに?」
「慎くんは綺麗だったよ。」
私の言葉にムウって唇を尖らせた。単純に可愛いって思える。腕枕の指で反対側から私の頬を突く慎くんの指に、くるりと身体ごと慎くんの方に向いた。
「くすぐったい。」
「くすぐってる。」
「やあん…。」
「それダメ、アウト。」
「え?」
身体を横にずらした慎くんが私を組み伏せた。
トンって顔の横に手を突かれて迷うことなく重なる唇。
ほんのりポテっとした赤みがかった柔らかい唇に私のを突き出すと、ペロリと舌で舐められた。
ゆっくりと舌をねじ込んで中で絡める甘いリップ音に、胸の奥がキュンとしまる。
首に腕をかけてやんわり髪に指を差し込むと「マイコ、煽んないで…。」なんて弱気発言。
「昨日はあんなに積極的だったのに?」
「だって今、朝。朝は俺やばいの…。」
なんてちょっとだけ顔を赤くしたんだ。でもそのまま私の手を掴んでソコに宛がう慎くんは、耳元で「ね、やばいでしょ?」そう言うと、舌を耳に捻じ込んだ。
途端に身体を突き抜ける快感が襲う。
ジュルって耳朶を縁取るように舐められて気分が一気に高まる。
やばいって言いながらも結局は攻めてくる慎くんのソレを不意に掴んだら「ハアッ…。ちょ、ちょっと、待って、」涙目で私を見た。
昨日はソレを私がどうこうすることもなかったけど…
「待たないもん。」
ギュッと掴んで上下に擦ると「アッ、ほんと、待っ、」切なく目を細めた。
可愛い。
「気持ち?」
「いや、うん、すげぇ。だからゆっくり、」
「ふふ、ゆっくり、ね。」
上下にツーって手をしごくとまた慎くんが堪えられず甘く吐息を漏らす。
「舐める?」
「だ、だめ!マイコには見られたくない。」
「もう何度も見たよ?」
「でも朝だし恥ずかしい。」
「…気持ちよくない?」
「あーもう、たまんない!マイコずるい!俺のこと、はあっ、マジでやばい、」
「いいよ、イって。」
「やだよ、マイコの外でなんてイかない。耐える。」
眉間にシワを寄せて思いっきり腹筋に力を込めている慎くん。
その腹筋に、スっとさがって舌を絡ませたら「キャアッ!!」って悲鳴みたいな声と共にドロっと白く濁った液が噴射した。
荒く呼吸を繰り返す慎くんは泣きそうな顔で「マイコの意地悪。」って小さく笑った。
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