新鮮な弟キャラ 

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【said マイコ】


「とりあえずジェットコースター行こうぜ。」


気付いたらみんな別れていて、朝海ちゃんと神谷くんがどこに行ったのかすら分からない。

えみさんと岩ちゃんももう姿はなくって。

ゆきみさんと藤原くんはなんとなくまだ来ない気がした。

臣ちゃんに肩を抱かれて目指すはスプラッシュマウンテン。

土曜の夜となるとさすがに混雑している。


「パスとって別の行く?」

「うん。」

「んじゃこっちのジェットコースター!」


スペースマウンテンも絶対混んでそう。そう思ったけど、待ち時間30分に慌てて三人で並んだんだ。

当たり前だけど、周りは9割がカップルで。学生さんなのかグループデートみたいな団体が残りの1割。

私達ってどう見えてるんだろうか。


「あの、これって二人乗りですよね?」


壱馬くんが不安そうな顔して臣ちゃんを見ている。

だけどすぐにその視線は私に降りてきて、肩に手を乗せると「マイコあとどれ乗りたい?」そう聞いたんだ。


「ぷーさんのハニーハント乗りたい!あれは絶対に乗る!」


臣ちゃんが時計を見てからポンっと壱馬くんの頭を撫でた。


「俺後ろでいいよ。壱馬、怖いの?」

「ええんですか?って、登坂さん僕怖くないですよぉ。」

「ふふ、怖いの?壱馬くん!」

「せやから違うって!」

「仕方ないからこのマイコお姉さんが一緒に乗ってあげるわよ!」


えっへんって手を腰に当てて壱馬くんを見上げると、真っ赤な顔して「ちゃうわ!」って。長谷川くんの前ではお兄さんしている壱馬くんも、臣ちゃん相手じゃ適わないって、それが何だか新鮮で可笑しかったんだ。

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