声 

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30代の男が一番かっこいい気がする。

―――なんて言葉を直人さんに言ったら枕に顔を埋めて爆笑された。


「バスローブ着ますか?」

「いらねぇ。こっち来て。」

「ん。直人さん、しょっちゅう女抱いてます?」

「…なんて台詞だよ。抱いてるわけないっしょ。なんで?」


普段は煙草吸わないけど、飲みの時だけ直人さんは煙草を吸う人だった。

そしてわたしを抱いた後もベッドの横で煙がこちらに来ないように煙草を銜えている。


「キスもそうだけど、やっぱりなんか、うまいなぁーって。わたしも初めてではありませんが、さほど経験しているわけでもないので、直人さんみたいな人、初めて。」

「褒めてんの?」

「まぁ、はい。」

「もっかいする?」


煙草を灰皿で潰すとバスローブを羽織ったわたしの腕をキュッと掴んだ。

直人さんを見下ろすなんて、そうないわけで。

ちょっと犬っぽい目でどら焼きみたいな形の口をあけて八重歯を見せて笑うんだ。

無言のわたしの手首を引っ張ってベッドの横に座られせられた。

そのまま顔をうなじに舌をちゅるって這わせると身体が熱くなる。

肩にかけていたバスローブを下に落とすと後ろから胸の先端を指で挟んで動かした。

背中を舌で舐められるなんてそうない。

なんでこんな気持ちいいの?

気づくと自分じゃないみたいな声が漏れていて。

そんなにえっちでアンアン言う方じゃないと思ってたけど、声が抑えられないなんてこと、本当にあるんだって。


「ゆきみ。」

「ンッ、直人さん…」

「…好きだよ、」


直人さんの低い声が耳元でして、そのまま耳を甘噛みされる。

大人の男は甘噛みが好きなの?それとも直人さんの趣味?

だけどそれが半端なく気持ちよくて、潤んだ瞳で直人さんを見つめると、耳から顎を通って口の中に舌を差し込んだ。

やんわりと唇を甘噛みしながら、舌を吸い上げられてじゅるりとなんともいえない唾液が絡まる音が響く。


「ゆきみの気持ちいいとこ、だいたいわかった。」

「え?」

「目閉じんだろ、気持ちいいと。」


耳元で甘く囁くと、また舌を耳の中に差し込む。音が遮断されて直人さんの吐息と舌が絡まる音に呼吸があがる。


「あと、右のおっぱい。左より右のが感じてる。」


ちゅって軽いキスの後、左の乳首を指で転がしながら右胸をペロリと口に含んで甘噛みされて腰がふわりと浮いた。


「も、ダメ。」

「まだいれてないから。」

「ん、」


いれてないけど、絶頂は何回あった?ってくらい、指と舌で直人さんを全身に刻みつけられた、気がする。

ラブホで直人さんと迎えた朝、LINEには樹からのメッセージが数件。


【会いたい】って言葉に胸が締め付けられた。


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