予想外の告白

【said 舞子】

「車?」
「あーうん。ここぐらいしかないかな〜って舞子と二人っきりになれる場所。」
「ふふ、なあに、改まって。」


健ちゃんの車の何故か後部座席に座る。天井が開くようになっているからそこを開けて空気を取り込みつつ、隆二がふう〜って息を吐き出す。見つめる瞳はユラユラと燃えているようにも見えて首を傾げた。


「舞子に伝えたいことが沢山あって…。」
「ふふ、なあに?」
「好き、です。」


…―――え?全く予想もしていなかった隆二の言葉に息まで止まりそうになるなんて。だってそんなの…。


「え、あの…。」
「舞子のこと、すっごく大好き。」
「…隆二あの、」
「俺みたいな奴、恋愛対象じゃないかもしれないけど、俺はこの世界で一番舞子のことが大好き。」


嘘でしょ…。こんな真っ直ぐな告白、生まれて初めて。スッと伸びてきた隆二の綺麗な手が私の頬を優しく包み込む。吸い込まれそうなブラウンカラーな瞳と小麦色の肌。キリっとした眉毛と、甘い口元…。ドキドキする。


「…隆二。」
「臣が好き?」
「…え?」
「舞子が臣を気にしていることは分かってる。けど俺は非力かもしれないけど、この手で舞子を守りたい。傍に、居たいんだ…。」


優しい声と唇の温もり。目を閉じて私にキスをする隆二の顔が綺麗だなーなんてボーっと見ていた。チュってリップ音と共に離れた唇と、隆二の照れ笑い。


「俺の初キス…。」


恥ずかしそうにそう言う隆二にドキっと胸が高鳴った。


「初めてなの?」
「そうだよ。舞子とキスするのずっと待ってた…。もっとさせて…。俺の気持ち、もっと舞子に伝えたい…。」


言葉よりもこの温もりで感じる隆二からの「大好き。」目を閉じる私にぎこちなく何度もキスをする隆二が可愛い。目があって照れ笑いする隆二が、次の瞬間には男の顔になって私にキスを繰り返す…―――

隆二の隣にいたら私、幸せかな…。
甘ったるいキスと隆二の温もりにただ酔いしれていたなんて。



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