甘ったるい朝の一時

【said 朝海】


身体、痛い…。唸るような豪雨のカケラも見えないくらいに眩しい光で目が覚めた。あたしに絡まっている健太が隣でケホケホ咳をしている。


「健太、大丈夫?」
「…無理、看病して。」
「あたしにうつしていいよ?」
「それも無理。可哀相だから。でもチュウして?」
「うんっ!」


すべすべの素肌に乗っかってそのままキスを落とすと、健太の腕があたしの首に回される。そのままグルリと身体が反転して、あっという間に立場逆転。あたしを組み伏せる健太は、妖艶な顔で「キスとおっぱいと、下…どれがいい?」なんて甘く囁いた。ほんの一瞬考えたあたしはニッコリ微笑むと健太の首に腕をかける。


「全部。」
「ぐふふふふ。俺も全部がいい。気が合うな。」
「好き、健太。好き好き、大好き。」
「俺も。」


首筋にちゅちゅって吸い付く健太がペロっと突起を舐めるとニンマリ笑った。途端にこの部屋に甘い空気が漂う。初体験は大好きな男に思いっきり甘やかされてめちゃくちゃ幸せな時間だった。健太の指が中に挿いると、クチュって厭らしい音が響く。わざと音を立てて中をかき混ぜるからあたしの呼吸がどんどんあがっていって…。


「朝海。」


優しく微笑んでぎゅうっと抱きしめる健太が大好きすぎて離れたくない。でもコンコンってノック音。え、無理。だってこれからなのに…。


「朝ごはんですよー!早く降りてきてー!!」


そんなゆきみとマイコの声に健太と目を見合わせて笑う。


「どーする?」
「仕方ないから行くか。」
「でも健太のそれ…。」
「いいよ、自分で処理する。」
「やだ、それあたしがシたい…。」


昨夜はそれはいいって。あたしが初めてだってことも色々考えてそうしてくれたのかもしれないし。でもあたしも健太を気持ちよくさせてあげたい。だからムクリと起き上がってそそりたっている健太のソレを指で掴むと、そこにちゅっと唇を押し当てた。はぁ…って健太から甘い声が漏れる。後ろ手にシーツを掴む健太を下から見つめると「エロイからだーめ。」目を隠された。


「やだやだ、健太の顔、見たい。」


首に巻きついてキスをせがむと、思いっきり唇を食べられた。

―――結局、あたし達が揃ってリビングに降りたのは、お迎えが来てから1時間後。完全に待っていたんだろうみんながそれでもあたしと健太に「おはよう」って笑顔をくれたから泣きそうになった。



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