略してEPA

HIROさんはすごいと思う。その発想がかっ飛んでるんじゃないかって。

この度、EXILEパフォーマーに女子を入れるって一般募集をかけたんだ。そりゃもうEXILEであり三代目でありに憧れているダンサー女子達が我こそは!って手を挙げてこのオーディションに応募した。もちろん私もその中の一人で。

LDHはコネ入社が多いって聞くしEXPG在籍の子もほとんど。絶対の絶対に私が受かるわけないと思ったけど、見事に最終オーディションまで辿り着いて今日はそのお披露目LIVE
だった。

日本武道館を埋め尽くすファンの目は厳しいのか受け入れ態勢なのか分からない。いや確実に厳しいファンのが多いはず。だけど今日で全てが決まる。今まで頑張ってきたこと全てを私はこのオーディションにかけて精一杯のパフォーマンスをしたんだ。

踊りきった瞬間、気が抜けたのか達成感なのか涙が溢れて止まらなくて。今日まで一緒に頑張ってきたみんなと抱き合って泣いた。

ステージ上ではEXILEでありEXILE TRIBEさん達がそれぞれパフォーマンスをしている。私たちが出ていった時とは比にならないくらいの大歓声があがっていて。ここにいる12人の中の1人がEXILEと一緒にこれから過ごすこととなるなんて。

今まで夢なんてものはなかった。だけど初めてEXILEをテレビで見た時、その圧巻のパフォーマンスに見とれて目が離せなかった。若干16歳の私はそれからひたすらダンスの映像を見ては見様見真似で踊った。高校を卒業してすぐ1年間本場のロスへダンス留学に飛んだ。そこで色んな経験を積んで戻ってきて1年、やっと私にチャンスが訪れた。憧れのEXILEと共に生きていく生活、絶対の絶対に掴みたい!


「みんな集まって。」


コツっと足音と共に私達の控え室にHIROさんが入ってきた。いよいよだって、胸が高鳴る。まじ、心臓吐きそう!
みんなが息を飲み込む。ドアの閉まった静まり返ったここは上での歓声すら届かない。ドキドキと爆音をたてている自分の心臓が煩くてHIROさんに集中する。


「今からメンバーに加わる人の名前を呼びます。本当にみんな頑張ってくれて、僕達も真剣に選びました。これからを一緒に歩んでいってほしい人は――――――」

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