初の大仕事
数日後、HIROさんに呼ばれて事務所に行くと、そこにはサクラとアスカの姿があった。
「サクラにアスカ!」
「「ユーリ!!」」
久しぶりー!って、みんなでキャッキャッしたいるとすぐにドアが開く。あーんもっと話したい!って思いつつもHIROさんの登場に慌てて席についた。
「おはようございます。」
そう言って頭を下げると優しく返してくれるHIROさん。一体私達3人になんの話?物凄い身構えている私達を見て笑うHIROさんの口から飛び出たのはそう…
「え、ミュージックビデオですか?」
思わず3人で目を見合わせた。
「そう。話題になるかな?と思って。RAMPAGEもデビューしたてで派手に売り込みたいからちょうどいいかな?って思って。一緒にやってみない?」
基本はなんでもやる精神な私達は、一つ返事でそのMVに参加することを選んだ。
「じゃあ組み分けするから。」
そう言ってHIROさんが、RAMPAGEのボーカル3人を連れてきたんだ。パフォーマーの私達はさほどボーカルくん達と絡むことがないせいか、いわゆる初めましてな感じだ。勿論顔と名前は知っているし、岩谷天敵だし、せめていっちゃんがここにいてくれたらいいのに、なーんて。一人一人挨拶がてら自己紹介をする。なんだろうか、壱馬がすこぶる私を睨んで見えるのは。
「ちょっと大人な絡みでいこうと思うので、いつもは見せないセクシーな部分を今回は推していこうと思ってます。」
企画担当のスタッフさんが説明して絵コンテをそこに差し出した。
「うわ、すご。」
アスカから出た言葉にサクラも苦笑い。私はというと、先日臣さんの綺麗なラブシーンを見たせいか、うずうずしていて。
「私やりたいです、これ!」
三種類ある中で一番際どいものを手に取った。
「ユーリやる気だね!」
「はい!じつは臣さんのMV見て、あまりに綺麗すぎて感動しちゃって。」
「登坂の迎え行ったんだって?健二郎に聞いたよ。」
「はい!臣さんの色気満載で素晴らしかったです!」
HIROさんと話しているとやっぱり私を物凄い睨んでくる壱馬。だからなんだよ、言いたいことあるなら言えよー!そう思いながらも壱馬は至って無言で。
「じゃあペアを決めます!どーしようか?この人ってある?」
まぁ勿論誰も手挙げないし、私の相手=かなりの難度が必須で。
「星海とはやりたくねぇ。」
そう言ったのは壱馬だった。なんだコノヤロー!
「ちょっとあんた。さっきから物凄い私のこと睨んでるけど、なんなの?」
「あーごめんね。こいつほら、登坂さん大尊敬してるから!壱馬落ち着けよ。」
興奮気味の壱馬を宥めたRIKUになるほど、と壱馬の意図が読めた。
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