隠れて煙草吸ってたことがバレて、先生に大目玉喰らった。今回は初犯だからって厳重注意ですんだけど、明日から毎日居残りとか最悪。つーかすげぇ雨降ってるし、傘ねぇし。バイクまで走る?いや濡れるんの嫌だなー。踵を潰した上履きが歩く度にカラカラ鳴るけどこの大雨のせいでそれも薄れていた。もう校舎の中には誰も残っていない。だるい身体でカバンの置いてある教室のドアを開けると俺の机に座って足をブラつかせている先輩。
「あーやっと戻ってきた!お帰り、隆二くん。」
真っ赤なロングヘアーがふわりと揺れて俺の動きを止めた。
「何してんすか?」
「一緒に帰ろうと思って待ってたんだよ。」
「そっか。けど雨だからもうちょい止んでからにしようかなって思ってんだけど…。」
「暇つぶしになにしたい?」
…エロいな、その質問。暇つぶしになにしたいって、それ俺が選んでいいの?男に選ばせる先輩のがエロいよね、ある意味。ゆっくりとそっちに向かって歩く俺を真っ直ぐに見つめている先輩。電気つけなくてよかったなんて思う俺は下心を止められなくて。
「先輩のしたいことでいいよ?」
あえてそう投げてみたらちょっとだけムウって唇を尖らせた。はは、恥じらいもってんじゃん、可愛いなぁ。先輩の柔らかい髪を撫でるとシャンプーの甘い香りがして理性が半分ぐらい薄れた。
「だめ。隆二くんが決めて。」
「んー。じゃあ…チューしていい?」
俺の言葉に恥ずかしそうに目を伏せたけど、そのままコクッて頷いた。やった、怒られてラッキーだったじゃん!
肩に置いた手を耳に触れさせてそのまま斜めに顔を寄せてほんのりピンクづいた唇にそっと重ねた。うわ、柔らか!絶対先輩の身体全部柔らかいだろうなーって妄想が俺の脳内を支配する。慣れているのか先輩の方から唇を割って舌を入れ込んできた。はい、ありがたいー。遠慮なくその舌を絡ませると「ンッ…。」なんて甘い声を漏らして俺の腕に強く絡まる。細い腰を抱き寄せて髪に手を差し込んで濃厚なキスを繰り返す俺の耳に不意に先輩の手が触れて穴に指をキュッと入れた。
「アーッ…ちょっとそれやばい。」
そんな声を出したから離れた唇。だけど先輩の唇は俺の頬から首に移動して、そのまま指がある耳に触れた。チュルリと耳朶を甘噛みされて身体に電流が走る。それモードにスイッチが切り替わったのが分かった。
「隆二く、ん。」
「このまま抱くよ?」
「だーめ。ここ教室だもん。しないよ、エッチは。」
「え、生殺し。ずりーよ、誘惑しといて。」
「じゃあその気にさせてよ?」
「了解。」
壁に先輩を押し付けて指を絡ませるとそのまま首筋から耳へと唇を移動させる。今俺にしたのよりも激しく耳を舐める「アッンッ…。」可愛い声が漏れた。ブラウスのボタンを外すと見えた薄ピンクのブラの上から口付けると先輩の腰が緩く動く。そのまま太股に手を添えて何度も撫でていると、呼吸を荒らげた先輩が涙目で言ったんだ。
「だめ。それ以上、だめ。」
「その気になった?」
「ん。なった。だから隆二くんの家まで我慢する。どーせ雨でびしょびしょになるから、シャワー貸してよ?」
「了解。けどちょっと待って。」
半分ぐらい覚醒していた俺自身を鎮めてから、俺達は雨の中走り出した。
【END】