この身を焼くのは残酷なまでに楚楚とした愛


「なんやぁ、今日は悪魔クンなん?」
「げぇ、なんだよお前かよ」
「俺の可愛ぇ赤也クンの顔でそんな不細工な顔せんといてぇな」

俺はこのキラキラした奴が大っ嫌いだ。

「何しに来たんだよ、今日は俺しか出てこねぇの」
「えー?そんないけずせんとってやー」
「あーマジうぜぇ触んなよ」
「あ、せやほんならたまには俺と話そうや」
「やだ」
「即答かい」
「だって俺、アンタのこと嫌いだし」
「うわっ、めっちゃ傷つくわ!その声で嫌いとか言うたらアカンで!」

このオーバーな感じも、本気かどうかわからないところも。
あーマジでうぜー。うぜーうぜー。

けど何もできないのは俺とアイツの力がコイツのせいでほぼ同等になってしまったから。
以前なら頭の隅に居た弱っちい俺なんか簡単に強圧することができたのに。
だから俺はコイツが嫌い。なんかキラキラしてて、生温かい感じとか、もう全部が。

「残念やなぁ、俺は君とも仲良くしたいんやで?」

その、笑顔とかも。

「俺はしたくねーの」
「えーでもなんやかんや言うてさっきからちゃんと返事してくれるやんか」
「それはっ…!」
「はは、悪魔クンて律儀やんなぁ」

どんなに突っぱねてもめげないし。
嫌いって言ってもきかないし。
俺のこと、邪険にしないし。

「アンタと居ると俺の調子が狂うんだよ!」
「それってつまり俺と居ったら普段通り居れへんっちゅーことやんな」
「はぁ?」
「んーだってキミって攻撃力の塊やん、攻撃的で居られへんっちゅーことはちょっとは俺のこと気に入ってくれてんちゃう?」
「な、なんでそうなるんだよ!」
「えーやってそうやんかーなぁ自分、ほんまは俺のこと好きなんちゃう?」
「近っけぇ、んだよ!馬鹿!」
「そんな照れんかてえぇやんか」
「〜っ!」

苛々、する。頭に血が上る。

「顔真っ赤やで?可愛ぇな」
「ち、が」
「俺はキミのことも好きやで」
「な、」
「やって、キミも赤也クンやろ」



可愛い、とか、好きとか、言うな。
俺は、アンタが好きとか言ってるアイツとは違う。
一緒じゃない。
俺はアイツの余分。心の負担。
そんなもん、好きなわけないだろ。

「どないしたん?」
「っんでもねーよ」

俺は信じてない。アンタの言葉なんて。

「悪魔クン?」
「っ好きなんかじゃ、ない」
「え?」

信じたく、ない。
認めたくない。
そんなことしたら俺は、

「ぁ、」
「おかえり赤也クン」
「白、石さん…ち、近いっス」
「あぁ、すまんな」






俺で居ることができなくなるから。
絶対、好きになんてならない。



+++*


悪魔赤也は白石を好きになっちゃったら通常赤也に統合されていなくなっちゃうんじゃないかなーと。
だから絶対好きになれない、好きになったとしても絶対認めることはできない。そう考えるとめちゃくちゃ切ないなと思って。
天使と悪魔があるってことはいわゆる二重人格的なことだと私は解釈しております。
悪魔の力は白石とダブルスするまで通常が抑制できないくらいすっげー強かったけど、通常が天使化しちゃったからね、力が同じくらいになっちゃったというか。
あとは『やなゆめ』で通常赤也自身の意思も強くなったという勝手な自分設定の土台を踏まえて、ね!


両極だから存在してるっていう。
でも通常も悪魔も、赤也は結局白石大好きだろうなって思う。
ただほんと悪魔つらいなぁって自分で考えておいて思った。
つらい!悪魔つらい!そんな悪魔のこと白石はなんとなくわかってるんだろうなー。
だから、好きって言ったらちゃんと嫌いって返ってくんのに安心してたりね。

悪魔赤也は超繊細だと思う。ていうか赤也の繊細さは全部悪魔が持ってっちゃって、通常は超鈍感。
だから通常赤也は悪魔のそういう気持ち全然知らんっていう。

うわーもうこの設定の白赤は胸がきゅってなる。きゅって。





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