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「あんな…私、財前のこと、好きかも…」


え、とかなんかまぬけな声が出そうになって、慌てて口を閉じる。え、え、今、こいつ、なんつった?好き…かも?真っ赤な顔してうつむいて、やば、なにこれ、なんか…なにこれ。


「…それ、どういう…」

「や、その…財前のこと、好き、かなぁ…なんて」


思わずにやけそうになる顔を、なんとか止めて、平常心を保つ。そんなん言われたら期待するし。あほちゃうかこいつ。ちゅーか、かも、ってなに。かもって。


「なんでそんな曖昧なん」

「えっ、えーと…」

「はっきり言ってや」


そう言えば、もっと真っ赤になって、目、きょろきょろして、恥ずかしそうにした。あれこいつこんな可愛かったっけ。俺、今めっちゃ心臓速い。そんな恥ずかしがんなや。こっちに移るから。俺だって、前からお前のこと、


「…しゃーないから俺からも言わせてもらうけど」

「う、うん?」

「俺はあんたのこと、結構好きやで」


ぼっとまるで火がついたようになるこいつを見て、ほんまにやけるからやめろって言いたくなる。言わんけど。


「や、やっぱり、私、財前のこと、す…好きや」


だから、もしよかったら、手、つないでよ。
なんて言われたら、そら、つなぐしかないっちゅーこと、分かって言ってんのかこいつ。だからさっき好き言うたやん覚えてへんのか。ぎゅって、手をつかんだら、へらりと笑ったから、俺の胃あたりがぎゅってなった。なんか悔しいから、少し強く握ったら、痛い痛いとか言って、それがなんだかおかしくて、ちょっと笑った。


「ざ、財前が笑った…!」

「は?」


びっくりしたような顔で、そう言ったかと思うと、今度はまた赤くなって、可愛い、なんて言うから、あほか、お前の方が数倍かわええっちゅーねん。



100329
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