大佐がかっこよく見えるのは、うん、まぁ多分大佐だからだ。大佐がモテるんじゃなくて、大佐だからモテるんだ!うんきっとそうだ。みんな騙されてるんだ。とりあえずこの話を大佐にしてみた。
「…意味が分からん」
「えー。だから、大佐は大佐だからモテるんですよ!」
「意味が分かるように言え」
大佐でも分からないなんて。私もなんだか言い続けてたらよく分からなくなってきた。ええと、つまりは、その、
「ロイ・マスタングがモテるんじゃなくて、大佐という地位だからモテるの!」
「…なんだ、やきもちかね?」
「ち、ちがっ」
急に近付いてきた大佐に、たじたじしていると、どん、あれ、背中が壁にぶつかった。…に、逃げられない!だん、と、大佐の手が私の顔の横に伸びてきた。ち、ちちち近い近い近い!大佐、顔が近い!ぐいぐいと大佐を押してみるけれど、全然動かない。くそう、むだにかっこいいな。私の心臓が、ばくばくと鼓動し始める。大佐に聞こえちゃう。
「た、大佐が、」
「ん?」
「大佐が、いけないんですよ。か、か、かっこいい、から」
なんだこれ、なんだこれ、私、どもりすぎ!は、恥ずかしいよ、大佐は近いし、もう、顔が真っ赤だ。私の心臓はこれでもかというほど、音を立てて動くから、ほんとに大佐に聞こえちゃいそうで、どうしよう、どうしよう。
「…可愛い」
「えっ」
「好きだ」
「たい、」
ちゅ、と音を立ててキスをされた。う、あ、もう死んじゃいそうだ。こんなにも大佐が好きで、好きで、大佐はかっこよすぎるし、私、幸せすぎて死にそう。
「つまりやきもちだろう?」
「ち、違いますよ」
「嘘つかない」
「……だって、大佐が」
なんか悔しいから、小さな声で、つぶやくように、モテるからいけないんですって言ったら、ぎゅうって抱き締められて、愛してるよなんて耳元でささやかれて、私の胸もぎゅうって締めつけられて、大佐、好きです。好きです。私だって、大佐のこと、愛してるんだから。
「私がモテるのは仕方のないこととして、」
「うわ」
「でも、私が一番好きなのは、一番愛してるのは、君だけだ」
なんて殺し文句だろう。真剣な顔して、私のことをまっすぐに見て、もう、私、ぜんぶを大佐にあげてもいいよ。それくらい、大佐のこと、好きなんだ。愛してるんだ。
100328 骨川さま五万打おめでとうございます!