「ほら、いつまで寝てるんだ」
「んー…あともうちょい」
「もう昼になるぞ」
「え、うそ」
がばっと起きて時計を見る。…まだ十時じゃないの。もう、起きて損した!再び寝ようと布団を被る。けれど、ロイがばっさー!と布団をはぎ取った。
「ちょっと、布団!」
「せっかくの休日を寝て過ごす気か?」
「いや別に。ただ納得がいくまで寝ようと思って!」
「よし今すぐ起きろ」
転がるようにベッドから落ちる。いや、正しくは落とされた。痛い、まったく何すんのよ。仕方ないから起き上がって、まず顔を洗おうと洗面所へ向かう。そして色々身支度を整えて、ロイが用意してくれた朝食を食べる。
「食べたらどこかに出掛けるかい?」
「いーよ別に」
「貴重な休みなのに?」
「私はロイと一緒にいれたらいいの」
そう言ったらロイがとっても驚いたような顔をした。…なによ、何かご不満でも?そしたら次はいきなりほっぺにキスしてくるもんだから、私は飲んでいた甘いカフェオレを吹きそうになった。
「ちょっと、な、何急に」
「いやぁあまりにも君が可愛くてね」
「…ばかじゃないの」
残っていたカフェオレを全部飲み干す。私は甘いものが好きだから、いつもこのカフェオレは甘めに作る。前にロイが飲んだとき、甘過ぎって言ってたっけ。おいしいと思うのになぁ。
「ごちそーさま」
「ん」
「…ねぇ、ちょっと離れてくれない?立てない」
立とうにもロイが後ろから私を抱き締めるから、うん、ちょっと…じゃま。けどなかなかロイは離れないから、どうしようか、困ったものだ。ロイは私の首筋あたりに顔を埋めるから、それがなんだかくすぐったくて、なんだろうこれ、なんか、甘い。こんな休日も、たまにはいいなぁ。
100322