「ちょ、大佐!」
「なんだね?」
「こんな高価な物、貰えませんよ!」
さっき大佐が渡してきたもの、それはきらきらと輝くきれいなネックレス。なんかこれ宝石とかついてるんじゃない?うわぁこんなもの初めて触ったよ。
「いいから貰っておいてくれ」
「でも、」
「いいから」
大佐は私の手からそのネックレスを取ったと思うと、首に手を回してつけてくれた。私の首もとできらきら輝くネックレス。
「あ、いやいや流されるとこだった!だから、貰いませんよ!」
「君も聞き分けが悪いな…貰っとけ!」
「むりです!」
ぐぐぐとネックレスを取ろうとする力とそれを阻止する力。…まぁもちろん私の力の方が弱いに決まってる。どんなに頑張っても、ネックレスは取れない。
「いい加減素直に貰ってくれよ」
「いやでもこれは高価過ぎだし…」
「私からの気持ちだよ」
ちゅっ。首もとにキスされた。その瞬間、私は思わず手を離してしまった。しまった、そう思ったと同時に、大佐は私の手をつかんだ。そしておでこにちゅっ。
「好きだよ」
「…くそう」
「ははは」
なんか大佐に負けた気分。悔しいなぁ、なにこれ大人の余裕?いやでもさっきの大佐はちょっと大人気なかった気がする。仕方ないから軽く大佐をにらんだ。そしたらにっこりと笑われた。くそー!
「と、いうわけで貰っておいてくれよ」
「…分かりましたよ…」
「いい子だ」
今度は手の甲にちゅっ。はぁ、うまく丸め込まれた。それでも大佐だから仕方ないとか思っちゃう私が一番ため息もんだわ!
100319