共有、共に分けあおうよ | ナノ



私、軍人になる。
そう言ったとき、ロイはとても驚いた顔をした。そして、その後私にそんなことやめろって言ってきた。でもね、ごめんね、心配してくれて言ってるのは分かる。分かるよ。けど、私は軍人になる。そう決めた。


「君に軍人は似合わない」

「うん、そうね、そうかも」

「ならどうして」

「んー、ふふ」


私はにっこりと笑った。ごめん、ロイがこんなに心配してくれてるのに、私はそれにあらがう。そうだよね、だってあのイシュバールのことでの後だもん。ロイは私にあんなこと、させたくないんだよね。でも、だからこそ、私は軍に入るよ。


「…どうしても、入るのか?」

「そう、入る。ごめんね、ロイ」


覚悟を決めた私は、自分で言うのもなんだけど、頑固だから、いくら止めたってむりよ。ロイはそれを分かってる。私はそっとロイの手を握って、またごめんと呟いた。


「私ね、ロイが好きなんだ」

「…知ってる」

「だから、ロイの痛みも悲しみも、全部、私分かりたいんだ」


全部、ぜんぶを共有して。お願いだから、何もかもひとりで抱え込まないで。貴方が痛みで苦しむのなら、その痛みを私に分けてほしいんだ。貴方が頑張ってるの、知ってるよ。だから、あまり頑張りすぎないで。喜びも、悲しみも、全部、すべて、分かちあいたい。これからは、私と一緒に歩いていこうよ。っていう、私のすべてをかけた告白。貴方にすべてを捧げます。愛のために軍人になる、ああ、なんてばかな私。


100222
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