輝く乙女フェルター | ナノ



きらきら、きらきら。なんで、なんでか、最近とっても大佐が格好いい。あれ、私、前からこんな風に思ってたっけ?


「そりゃ…うん、まぁ…恋じゃね」

「え!こ、こ、恋…!?」


仕事の休憩時間に、煙草をおいしそうに吸っているハボックに相談したら、恋、だって。そ、そうなのかなぁ。やっぱりこれって恋なの?この、大佐の顔が浮かぶと胸がきゅっとしたり、なぜか目で追いかけちゃったりすることとか、これは、やっぱり、


「恋だって」

「ううう、うそ、私、大佐に恋しちゃったの…!?」

「そのきらきらしてるのも、乙女フェルターかかってるせい」


そうか、これは恋なのか。そう自覚したら、どうしよう、恥ずかしくなってきた!ふと大佐の顔が横切る。う、どうしよ、私、大佐のこと好きになった。なってしまった。


「ハボック、お前いつまで煙草吸ってるんだ」

「!!」

「おわ!た、大佐!すいません今戻ります!」


そこへいきなり現われた大佐。ハボックが慌てて煙草の火を消して、急いで仕事場に戻っていく。その時目が合ったハボックの顔、なんだか笑ってた。…あ、そうだ、今、ここに大佐とふたりきりなんだ。そう思ったら、どきどき、心臓が速くなってきた。やばい、恋だってこと、自覚したら緊張してきた。


「まったく…あいついつか煙草の吸い過ぎで死ぬぞ」

「そ、そうです、ね」


緊張し過ぎてうまく言葉が出てこない。ああ、どうしよう、私、顔真っ赤じゃないかな。意識してるの、ばれてないかな。…私はそれだけでも頭がいっぱいだったのに、大佐の顔が私の目の前に来て、か、顔、顔が、近い。何も考えられない、思考回路が回らない。ずっと大佐から目を逸らせないでいる私。


「…ハボックと、何を話していた」

「べ、別になんでもありません」

「…君の好きな相手は誰なんだね?」

「え、」

「私なんだろう?」

「なん、何で、知って…」

「聞こえた」


私は恥ずかしさで顔がさらに真っ赤になる。聞こえたって、私が大佐を好きだってこと、ああ、ああ、ばれた、ばれちゃった。うう、どうしよう、どうしたらいいの。この状況も、どうすればいいの。


「今度は君の口から聞かせてほしい」

「…え」

「私は君からちゃんと聞きたい」


そんなこと、むりだって思ったけれど、大佐が真剣に私を見てくるから、もうどうしようもなくなって、もうどうにでもなれって思って、勇気をだした。


「わ、私は、大佐のこと…が、す…好きで、」


す。と言い終わる前に大佐が私を抱き締めたから、一瞬状況が理解出来なくて、そのまま私は固まった。やっと理解出来たとき、私は心臓が破裂しそうなほどになった。


「あ、あああ、あの、たい、大佐、」

「…すまない、つい」

「つ、ついって」


ぎゅうっと抱き締められて、私の心臓の音、こんなにもどきどき鳴っているのが大佐に分かっちゃう。…と、思ったけれど、大佐もどきどきしてて。大佐も私も心臓の鼓動が速い。ああ、大佐も同じなのかなって、そう思ったら、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。



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