目の前にいる男のにまにまとした顔がたまらなく鬱陶しくて目に焼き付いて離れない。まぁ目の前にいるから当たり前なのだけれど。
チラチラと視界で揺れるいつもは綺麗でうらやましいと思っているさらさらとした淡い色の髪も今は不愉快の対象でしか無い。早く、早くこの行為を終わらせてくれ。それだけを考えて名字はシーツを握る手に力を入れた。
容赦無くガツガツと中を抉ってくる熱いソレに嫌でも快感に引き摺り込まれる。ぎゅっと唇を噛みしめて快感に耐えていると「綺麗な唇が傷付くよ。」と口付けを落とされた。反吐が出る。
「名字ちゃんの声を聞かせて欲しいな。」
『ん、ぅあ』
ずぷり、親指が差し込まれてこじ開けられた唇の間からは押さえようのない声が漏れた。
「僕の名前呼んで。」
『ダ、イゴさんっ・・・』
「もっと」
『ダイゴさん、』
「っ、もっと・・・!!」
『ダイゴさん、ダイ、ゴ、さんっ』
名前を呼ぶ度に中で大きくなっている気がするソレ。どんな性癖だよ、と思いつつソレに感じている自分が少し恨めしい。名字は仕方ないこれは体の構造だと自分に言い聞かせて顔の横に置かれたダイゴの腕にギリっと爪を立てた。痛みに少し歪んだダイゴの顔が綺麗だと思った。
質量を増したソレで埋まった膣内はダイゴが動く度ぐちゃりぐちゃりと粘着質な音を立てる。
『ふ、あ・・・あ、あ、っ』
「かわいい、かわいいよ名字ちゃん。愛してるよ。」
『ダイゴさんっ・・・・あっ!』
「私は愛してませんむしろ大嫌い」皮肉たっぷりにそう言ってやった、心の中で。乳房を包むダイゴの手は少し冷たい。昔から心が暖かい人は手が冷たいなんて言われてるけどそんなの真っ赤な嘘だ、なんてぼんやり考えた。だって目の前の男はこんなにも最低。
「そろそろ、いいかな?」
『は、いっ・・・!』
「早く終わらせて欲しいと思ってますから」同様に心の中で呟くと雰囲気でダイゴの首にするりと腕を回してきゅっと抱きついた。
「中で、いい・・・?」
『中っ・・・!?』
「ダメかな?」
『っ・・・、いい、ですよ・・・』
心が冷たいどころか悪魔じゃないか。断れないってわかってるくせに無理な事を抜かしやがる。首を縦に降る事しか許されない名字は上司と部下の関係じゃなきゃぶん殴って逃げたのに、とぽろりと涙をこぼした。
数回強く腰を打ち付けられた後中でびくんびくんと動いて熱い白濁を放つソレにぞわりと鳥肌を立てながらアフターピルって高いよなぁ、と思考を巡らせた。
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながらどさりとベッドに倒れこんだダイゴをちらりと横目で確認して出来るだけ動きを小さく膣から白濁を掻き出した。しばらくするとすやすやと寝息が聞こえてきた。そっとダイゴの顔を覗き込むと長い睫毛で縁取られた瞼は閉じられていた。安眠を邪魔するように(邪魔以外のなんでもないが)白い首をぎりりと締め上げた。苦しそうに絞りだされた声を合図に首からそっと手を離した。
----------------------
きっと仕事のミスとかを秘密にしてあげるからやらせろとか言ったんでしょうね。
10.01.02
|