※男主
※高校生くらいのイメージ



ん、と不機嫌そうな声と共に俺の前に差し出されたのは紅蓮の以下略ハチマキだった。ハチマキを差し出す玲名の眉間には、いつもより三割り増しほどで皺が刻まれている。そして俺は差し出されたハチマキの真意がわからず眉間に皺を寄せてみた。はっ!わかった!わかったぞ!バッと振り返り時計を確認するともうすぐ五時だ。グラウンドからは一週間後に控えた行事の準備をする生徒の声がぱらぱらと聞こえる。時間を確認した所で俺はバッと玲名に向き直る。目の前には体操服の玲名。ブルマじゃなくてジャージなのが残念だがまぁいい!


「体操服で束縛プレイをご所望かい!?オーケー!俺頑張っちゃうよ!」













「股間を蹴るのは…ダメだと思うんですよね………」

「黙れ」

「くっ俺のエクスカリバーが不能になったらどうしよう…」

「………」

「玲名を気持ち良くさせてあげられなくなっ…おぐぅ!…っ、玉潰れたっ絶対潰れた……!」

「いいからやるぞ」

「こ、このっ…女王様め…!」


俺は尋常じゃないほどズキンズキンと痛む股間に耐え(ほぼ耐えられてない)先ほど玲名から渡されたハチマキをポケットから取り出すと俺の左足首と玲名の右足首をぎゅっと縛り付けた。そう、二人三脚の練習。教室からグラウンドへと場所を移動させると、俺達の他にも練習してる奴等の姿がちらほらあった。隅の方では赤二匹と水色一匹が何やらぎゃあぎゃあと騒いでいる。基山達か。あ、南雲転けた。


「玲名は二人三脚苦手なの?」

「ああ。他人のペースに合わせるというのがどうもな…」

「そっか、じゃあ練習しよう。」

「ああ、頼む。」

「ところで玲名。」

「何だ。」

「二人三脚の練習するのにジャージって色気無さすぎなんじゃない?」

「…何が言いたい」

「偶然にも今日、俺の鞄には純情ウェアが入っている。」

「(なぜ持っている)だから何だ」

「着てくれたら練習付き合ってあげる」












「くっ後で覚えてろ」

「よーっし練習だー!」


最高に嫌な顔、というかゴミを見るような目で見られながらも純情ウェアを着てくれた玲名にやる気百倍な俺はぐっと握りこぶしを掲げた。うん、玲名のおっぱいた今日も素晴らしい。しまった、純情ウェアを着せた事で俺の股間が非常に危ない。邪念を追い払うように左腕で太ももをがりがりと掻く。切るのが面倒で伸ばしっぱなしだった爪に感謝する。とりあえずこのままじゃ走るに走れないからくびれた玲名の腰に腕を回したら全力で叩き落された。


「ななな何をする!」

「え…いや…体くっつけないと走れないし…」

「そ、そうなのか?」

「うん…」

「それは知らなかった…す、すまない」

「うん、いいよ。じゃあ手回すよ?」

「あ、ああ…」

「んで、玲名は俺の肩に腕回して。」

「こうか?」

「うん、そう。じゃー縛ってる方の足からね。いち、にー、いち、にー…感じわかった?」

「ああ、なんとなくな」

「んじゃ、あっちにいる基山達の所まで行ってみようよ。」

「い、嫌だ!」

「何で!?」

「こんな格好でアイツに会いたくない!」

「大丈夫大丈夫。ほらー、付いてこないと転んじゃうよー」

「卑怯者!」

「ほらほらー」

「名前っちょ、待…!」

「え…うおあ!」

「だから待てと言っただろう!」

「はは…」


見事に転んだ俺は玲名に覆いかぶさって苦笑いを零した。ぎちぎちと俺たちの足首を締め付けるハチマキを一旦解こうと足元に視線を移すと色白な玲名の膝には赤色が滲んでいた。


「ごめん、怪我させちゃったね。」

「別に…これくらいどうって事無い。」

「ダメだよ、綺麗な脚なのに痕残っちゃうでしょ。」

「なっおい!降ろせ!」

「だーめ。」


ハチマキを解いて背中と膝の裏に腕を回して力を入れれば簡単に持ち上がった。じたばたと抵抗する玲名ににこりと笑い掛けると真っ赤な顔を逸らされた。ちょっと寂しかったけどおとなしくなってくれたし、保健室に急ぐ。後ろからはこちらに気付いたらしい南雲が「リア充爆発しろ!」とか叫んできた。失礼しまーす、手は塞がってるから乱暴に足でドアをこじ開けて保健室に入ると中は閑散としていた。先生の机には"会議中"の文字があった。玲名をベッドの端に座らせて俺は棚の中から消毒やら絆創膏やらを引っ張り出す。それを両手に持って玲名の元に戻ると、ちょんちょんと傷口を指先でいじっていた。


「あー、ダメだよばい菌入っちゃう。」


ピンセットで摘んだ綿にちょんちょんと消毒液を付けて傷口をちょんちょんと触ると玲名の体がびくりと跳ねた。声は出さないものの、きっと痛かったんだろう。俺の顎に玲名の膝がクリーンヒットした。


「す、すまん!おい、名前!」

「いって…舌噛んだら今のは確実に死んでたよ…」

「悪い…」

「痛かった?」

「す、少しな…」

「はい、絆創膏貼ったしもういいよ。」

「悪いな、助かった。」

「どういたしまして。はは、何か冷めちゃったね。」

「そうだな・・・」

「先生居ないしさ、ここで運動会しようか?」

「は…」


玲名をベッドに押し倒して純情ウェアをぺろりと捲ると、真っ白なカーテンで二人だけの空間を作った。今日は我慢出来ないかもしれない




11.02.03









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