「足を舐めさせてくれ」

「ごめん聞き取れなかったもう一回」

「名前の足が舐めたい。舐めさせてくれ。」


どういうことなの…


「ダメか?」

「えっダメとかそういうのじゃなくていや普通に考えたらダメだけど」

「どうしても舐めたいんだ頼む」

「やだちょっと土下座とかやめてよ」


急に足が舐めたいとか言われたけどそんな事を言われたのは初めてだから(そりゃそうだ)戸惑うとかそういうレベルじゃない。軽く引いてる。でもこうなってしまった風介はとてつもなく頑固だから、私は嫌々に足を…その、な、舐める事を許可した。こういうのってはいどうぞって足を差し出せばいいのだろうか。なんとなくだがそれは気が引ける。こんなに気持ち悪くても仮にも恋人なわけであって、これから舐めますっていう足が汚かったりしたら申し訳ない。洗った方がいいのかな。


「じゃあ足洗ってきてもいい?」

「なぜ」

「なぜっておま、そりゃ汚いとダメだから」

「それは許可出来ない」


もうお前死ねよ。むしろその方が興奮するとか汗で蒸れていた方がいいとかうわー引くわー。風介とまだ付き合い始めたばかりの頃晴矢に大変だろうけど頑張れよって言われた意味がようやくわかった。風介とかもう私の前で正座して待ってる。もう少ししたら(バッ)とかやりだしそう。それはさすがに困るからベッドに腰掛けて右足を差し出してみた。


「ど、どうぞ」

「いただきます」


それはおかしくない?どうしよう。やだこわい…乱暴に靴下を脱がされて(あっちょお気に入りなんだからやめてよ)凝視された後、風介の柔らかい唇がちゅう、と親指に吸い付いた。舌先で擽るように親指の腹(足の指も腹っていうのかな)を舐めて、その次は親指と人差し指の間を何度も往復してもう一度親指に戻る。まるで行為の最中を思わせるようなじゅぷじゅぷという水気を含んだ音が厭らしさを孕みながら耳にこびりつく。れる、足の裏の真ん中を舐められて、ぞくぞくとした感覚に体が包まれた。やだ、何今の。


「ちょっと、もういいでしょ」

「私はまだ満足していない」

「ねぇちょっと…やだ、やめてよ」

「ふふ、気持ちよくなってしまったのかい?」


違う、とは言い切れない。無言は肯定と受け取るよ、そう言った風介は再び薄ら笑いを顔に貼り付けて私の足を舐め続ける。どんどんとエスカレートするその行為は、足先だけに留まらずふくらはぎまで這い上がってきた。ずくり、下半身に鈍い電流のようなものが走って、少しずつ顔に熱が集まり始める。ふくらはぎって足?足の一部なの?どんどんと分泌されていく唾液で私のふくらはぎを濡らしながら這いずり回る下は、とうとう太ももを侵食し始めた。足先やふくらはぎとは比べ物にならないほどの快感が私の体中を駆け巡って目の前はチカチカしてきた。ぞくぞく、ぞくぞく。風介の舌が少し動く度に体を走る快感は小さな声になって少しずつ私の唇から外へと零れ出す。


「足を舐められて興奮したの?名前はエッチな子だね」

「うるさいだまれしね」

「酷い言い様だな。」

「風介が悪…ひいん!?」


もそもそと私のスカートの中に顔を突っ込んだ風介はパンツと太ももの付け根の間に強く吸い付いてきた。吸い付く力に強弱を付けるもんだから私のスカートの中からは、ちゅうちゅうという随分と滑稽な音が聞こえる。もはや足じゃあ無い気がする。スカートの中から顔を出した風介は満足そうな顔をしていた。やっと終わった、そう思って脱力した瞬間に目の前の風介は上着を脱ぎ捨てた。(バッ)って感じで。


「えっちょ何で脱いで」

「セックスをするために決まっているだろう」

「えっ足舐めるだけじゃないの」

「私はいただきます、と言ったはずだ」

「いや言ったけどそれとこれとは話が違っ」

「名前を、いただきます。」


風介、舌なめずり似合うね。




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アンケコメ風介変態



11.02.27







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