俺は秋という中途半端な季節が嫌いだ。半田ではなく半端だ。昼間は暑いくせに帰りがけの夕方になると寒くなりやがる。暑いのか寒いのかはっきりしやがれってんだ。冬の方がまだマシだっつーの。
俺達サッカー部の練習が終わる時間帯は既に空に星がちらついてて風は冷たい。昼間の陽気はどこへやら。ため息を一つ、練習後の重たい足をのろのろと動かしながら校門へ向かった。
『お疲れ。』
「……何やってんだこんな時間まで」
『一緒に帰ろうと思って、待ってた。』
「俺がこなかったらどうするつもりだったんだよ」
『竜吾なら来てくれるって信じてた』
「………バカな奴。」
『ね、手繋ご。』
「はぁ!?バカじゃねーのかお前!」
『寒い中待ってたから手冷たいのー』
「勝手に待ってたくせによく言うぜ」
『いーじゃん、ほら、繋ご、ね?』
「勝手にしろ」
『竜吾の手はあったかくて大きいね』
「そーかよ」
『私の手は?』
「冷たくてちっせぇ」
『竜吾があっためてくれるから冷たくていいや。小さい方が握りやすくない?』
「そーかもな」
『冬になったら一緒に長いマフラー巻こうね』
「やなこった」
『無理やり巻いてやるからいいもん』
「逃げる」
『追い掛ける』
「サッカー部の体力なめんなよ」
『私の竜吾への愛をなめんなよ』
「うるせー、バカ」
秋っつー季節はどうしてこう中途半端なのか。昼間の気温は高いくせに夕方の気温は低い。そのくせ顔があちぃのを隠す事もできねぇ。
早く冬になればいいのに。
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寒くてむしゃくしゃしたのと
染岡さんが好きすぎて書いた。
染岡さんと一緒のマフラーしたい
10.10.20
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