短編 | ナノ

 愛しキミと背比べ




「あれ?財前、またデカなった?」



そう言って謙也先輩が俺の頭に向けて手を伸ばす。

サワサワと髪を触る謙也先輩は幼い表情をしとって



「やっぱり」



と、破顔した。

ムッとむくれる表情は謙也先輩を余計に幼く見せる。



「財前ばっかズルいわ」



プイッと外方を向いた謙也先輩はパタパタとコートを横切り、マネージャーの背後から抱き付く。

多分、俺がイジめるだのなんだのマネージャーに訴えとるんやろう(最終的に白石先輩に真っ黒な笑顔で丸め込まれるんがオチや)

いつの頃からか、マネージャーと謙也先輩がそんな風にイチャついとっても平気になっとった。

何を隠そう俺は、可愛いらしいマネージャーを好きで、憧れとったから。



「何?財前、また伸びたん?」



急にかけられた声にドキリとする。

癖のあるその声にドキドキするよぉになったんもいつからかわからん。



「みたいッスね」

「ちょぉ、そこ立っててや?」



途端に後ろにひっつく体温。

ドクドクと心臓が煩い。



「肩の位置が既にちゃうわ〜」



一瞬で離れた体温。

八重歯を覗かせ笑う黒井先輩(一氏先輩のいとこでもう一人のマネージャーや)



「あ、そやそや。ほいっ」



手を無理矢理出さされて、掌に乗せられたのは可愛らしいラッピングのされた小さな箱。



「誕生日おめでと」



それ、香水な〜。なくなりそう言うてたやろ?

と、付け足した黒井先輩はすぐに白石先輩に呼ばれてどっかに行ってしもた。

あかん。



「こんなん反則やろ…」



消えそうな声で呟いて、ズルズルとその場にしゃがみ込んだ。

当分、このドキドキは治まりそうにあらへん。



愛しキミと背比べ
(いつになったら好きやて言えるんや、俺)
Happy Birthday to Hikaru Zaizen 2008
write by 99/2008/07/27




光がヘタレなんてイヤだ!!
とか思いながら書いてた。
むしろ、3次元サイトで書いたやつのリメイク。
3次元サイトは酒ネタが多いからあんまり使えない…。
とりあえず、一氏の親類になりたいのは私です。
手元に浪花っ子達の資料がなくて、口調とかわけわからん。
つか、お互いの呼び名が捏造過ぎる…。
手元に資料出来次第、修正したいな、うん。



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