短編 | ナノ

 幸福時計



部活で忙しいてなかなか会えんかった黒井先輩ん家に呼ばれた。

久々に入った部屋は相変わらず整っとる…ちゅうか、物が少ない。



(あ、時計止まっとる)



不意に壁にかかっとった掛け時計見たら、止まっとった。



「光?どないかした?」



ジッと時計見とったからか、先輩が俺を見上げて問いかける。

俺の視線の先を追って、



「あぁ止まってもうてるねー」



呟いた。



「電池替えましょか?」



多分、今替えんかったら、こんまま放置や。



「んーえぇわ」



1回首を横に振って、先輩が俺に抱きつく。

学校はしっかり者で通っとる先輩やから、こんな風にしてくるんは、ホンマに珍しい。



「どないかしました?」

「時間、見てみ?」



その時間はちょうど7時20分。



「あー」



低く唸るみたいな声が出る。

恥ずかしい。

先輩がそんままでえぇ言うた理由がわかって、ホンマに恥ずかしい。



「光、好き」



秒針の音も聞こえん部屋で、糺先輩の声はいつもよりちょっと大きく感じた。




幸福時計
(俺の方が好きなんて言えるわけないやんけ)
write by 99/2008/05/16




光が好きすぎる。
イエイ☆関西弁
某ぐだぐだ青春漫画に初登場した弟君が光に似てた。
初々しい初恋話がちょー可愛い。
実は3次元でやってたサイトにUPする予定で書いてたのをリメイクしたもんだったり…。



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