短編 | ナノ

 牡丹雪




「こなぁーゆきぃーねぇ、」



雪が降る中、傘も挿さずにクルクル回りながら上機嫌で歌う少女。



「粉雪言うか牡丹雪やけどな」



少女の後ろを傘を挿し歩いていた少年が呆れたように言い放った。

少女はピタリと歌うことも回ることもやめ、少女よりも背の高い少年をじとりと仰ぎ見る。



「突っ込まんといてぇや、白石くん」

「ツッコミ入れたぁなる歌、歌わんとき、黒井さん」



沈黙が降りる。

少しの間、顔を見合わせて、時が止まったかのように行動を止めた2人は、盛大に笑い出す。



「あかん、黒井さんって蔵ちゃんに言われんのきしょい」

「音子が俺んこと君付けなんもきしょいわ」



笑いながら、音子は制服の上から腕をさすった。



「うわー鳥肌たっとるぅ」

「あほか。ほれ、入り」



蔵ノ介が音子の腕を引き、自分の挿している傘の中に入れる。

少し大きな傘は2人が入っても充分な大きさだ。

蔵ノ介はぎゅっと音子を抱き締める。

抱き締めた音子の身体は冷えきっていた。



「ほら、こんな冷たぁなって。風邪ひーたらどうすんねん」

「蔵ちゃんが看病してな」



あっけらかんと言い放つ音子に、蔵ノ介はニヤリと口端を上げた。



「襲われて文句言わんのやったら、看病したるよ」

「風邪なん、ひかへんっ!」



顔を真っ赤にして、音子はそっぽを向く。

腕の中からは逃れようとしない音子に蔵ノ介は頬を緩める。



「はよ帰んで。ホンマに風邪ひぃてまうわ」

「うん」



腕の中から解放し音子の手を握る。

片手には傘、片手には音子。

蔵ノ介はとても穏やかに笑った。



牡丹雪
(アホは風邪ひかん言うけど、どうなんやろか)
write by 99/2008/05/16





レミオロメンです。
白石君、初書きです。
似非で申し訳ない。
関西弁は微妙なとこですね、はい。
関西人なんですが、正直大阪の関西弁とはまた違ったりするもんで、うわーな感じ(どんなだよ)
白石君も好きですが、一氏君も謙也くんもすきです。
ただ財前が大好きすぎます。
ピアスキャラ(なんじゃそれ)に弱い。
でも、一番好きなのは立海(ぇ)



prevnext

back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -