短編 | ナノ

 縋り伸ばした手を掴む

普段は規則的に繰り返される呼吸は荒く空気を求めるように繰り返す。

縋るように手を伸ばし掴んだのは、彼が好んで身に着ける蒼い着流しだった。

背に手を回し抱き付く私に何も言わず、そっと抱き締める彼の普段のやんちゃそうな雰囲気は形を潜めている。

縋ってはいけない人に縋っているのだと理解はしていた。

過去の傷の所為か、心に敏感な彼に縋ってはいけないとわかっていた。



「政宗」

「あぁ」

「政宗」

「あぁ」

「ま、さ宗」

「音子、俺はここにいる」



スルリと背を撫でるそれは、まるで赤子を宥めるようで、少しだけ恥ずかしい。

それでも、ここにいると囁く政宗の背に回した手を外すことなんて出来なくて、ただただ彼の鍛え上げられた胸板に顔を埋め泣いていた。






縋り伸ばした手を掴む
(泣くお前にやっと手に入れた気がした)
write by 99/2011.10.01





まさかの筆頭。
実はこれ影竜主でお相手がアニキだったり、OPロー夢で書いたやつの没ネタです。
しかも、影竜は縋りついてたのはアニキの方だった←
OPはキャラ把握し始めて書き始めたはいいが、ローさんのキャラを激しく勘違いしてる99の内情により没になったという。
だって、浮き沈み激しそうな感じだと思ったんだもん、ローさん。
あ、OPは縋りついてたのローさんです。
東西兄貴が大好き過ぎる訳ですが、旦那にするなら小十郎だと言い張ります。
いや、オカンスキルに期待して佐助も捨てがたいんですがね。



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