お題 | ナノ

「なかなかやるもんだ」(氷帝/過去)



「跡部ぇ」

「あーん?伸ばすんじゃねぇよ」

「どうでもいいよ」


ただでさえ鋭い跡部の眼光が更に鋭くなる。
見て見ぬフリをして、コートで練習している一年生を見渡した。


「へぇ」

「どうした?」

「なかなかやるもんだなぁって」


2人、いや、樺地君を含めて3人。
伸びそうなのを見つけた。
多分、彼らはいつかレギュラーに上がってくる。


「跡部、先が楽しみだね」

「まぁな」


跡部にはわかっている。
あの2人が上がってくるだろうことが。
樺地君は上がってくるのなんて当たり前だから。


「鳳に日吉か」


風にかき消えたのはまだ真新しい氷帝の体育ジャージに書かれた名前。




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