お題 | ナノ

「わかればいいんだよ」(不二周助&青学)



「でもさ…」

「でもも何もないからね?」


ムスッとむくれて見せても、目の前にいる大魔王…ゴホンッ、不二は微笑んだままだ。
周りにいる他のレギュラーも似たり寄ったり。
って言っても、不機嫌を絵に描いたような感じ。
いつも通りに見える手塚でさえ、眉間の皺が二割り増し。


「むー」

「僕らが誘ったんだから、君が気にする必要はないんだ。何かあったら言うこと。これだけは約束して?」


不二がこんな事を言うのには理由がある。
レギュラーのファンとかいい連中に頭から水をぶっかけられたから。
それがついさっきの出来事。
それを運悪く不二に見つかった。


「ん…」


渋々肯く。
自分に売られた喧嘩は自分で処理したい。
それが本音だから。
でも、私を心配する彼らレギュラーを邪険にはできない。
本当に良い人たちだから。


「わかればいいんだよ」


頭をふわりと撫でられて、何故か泣きそうになった。



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