お題 | ナノ

深夜0時の着信履歴(白石蔵ノ介)



0時過ぎの自室。
お風呂上がりでバスタオルで髪を拭きながらベッドの上を見たら、チカチカと着信を告げて携帯が光っとった。


「こんな時間に誰や…」


呟いた声は誰も居らん部屋に消える。
お風呂に入る前に見た時には何の着信もきてんかった。


「お、蔵や」


着信履歴を見たら、クラスメイトの白石蔵ノ介の名前があった。
時計見て、まだ起きとるやろうとかけなおした。


『起こしたか?』

「いや、お風呂入っとってん。なんやった?」


かけてすぐに問いかけをされ、苦笑しながら返した。


『あぁ明日な、朝練あらへんから、一緒に行けへんかなぁて』

「えぇよー。蔵ん家、こっちやもんな。なんや、メールでも良かったんに」

『メールでもよかってんけど、なんや声聞きたかったんや』


耳元で蔵のえぇ声が響く。
顔が熱うなってくる。


『あぁもうこんな時間やな。そろそろ切るわな。おやすみ』

「おっや、すみ」


ブチリと切れた通話。


「あかん、こんなん寝れへんやんか」





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