お題 | ナノ
自惚れんじゃないわよ(柳蓮二)
「ふむ」
俺、柳蓮二は目の前の彼女を見て軽く頷く。 手に持ったノートと彼女を見比べるのも忘れない。
「なによっ」
見比べたことが気に食わない確率89、4%。 それから、俺の反応を気にしている確率7…
「言いたいことがあるなら目線じゃなくて、口にしろ!このっデータマニアがっ!!」
思い切り叫んだ彼女に思わず頬が緩んだ。
「お前は本当に分かり易いから助かると思ってな」
「うっ自惚れんじゃないわよ」
バンッと机を叩き立ち上がった彼女はそのまま足をもつれさせながら走り去った。 その背に笑みを浮かべる。
「自惚れなどではないさ。お前と俺が両想いの確率などとうに出てるんだからな」
(c)こなゆき
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