お題 | ナノ

ロミオとジュリエットにはなれなくて(佐伯虎次郎)



「ねぇロミオ、どうして貴方はロミオなの?」


そんな台詞が似合うジュリエットになれる程可愛くない私。


「ジュリエット」


けれど、彼はロミオが誰よりも似合う男前。

遣る瀬無さに溜息を吐いて、看板作りに精を出す。


「どうしたの?溜息なんて」

「佐伯」

「君がジュリエットなら良かったのに」


悪戯に笑う佐伯に私は2度目の恋をした。


(c)A.M 0:00