お題 | ナノ

やっぱりやめた!(白石蔵ノ介)

※切ない恋10題「永遠を望んだわけじゃない」と対


蔵ノ介の部活が終わるんを待つんは、ウチの日課や。

二年で付き合いはじめてから、ずーっと毎日ウチは蔵ノ介を待っとる。


「お疲れさん、蔵ノ介」

「おぉ、お疲れさん」

「帰「今、帰りか?」


帰ろうや。と、言う筈ん言葉は、蔵ノ介の声に消えた。

なぁ、ウチに待ってて言うたんはどの口や?

それとも、一年も前んこと、覚えてへんてことなん?


「白石ぃー!帰んでーっ!!」

「ちょぃ待ちぃや、金ちゃん」


遠くから蔵ノ介の後輩の声がしてた。


「ほな、気ぃ付けて帰れや?」


そう言うた蔵ノ介は部活仲間んトコに駆けてく。

いつも部活優先や。

それはしゃぁないてわかってた。

せやけど…。


『好きやねん、付き合うて?』


先にそう言うたんは蔵ノ介やろ?


『俺の部活終わるん待っとってくれへんか?遅ぅなってもちゃんと送ってくさかい!』


待ってたんやで?なぁ、蔵ノ介。


「ウチ、もう彼女やあらへんの?蔵ノ介」


そう問いかけるんは、やっぱり、やめた。

答えが怖いから。



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