お題 | ナノ

ときめきたいったらありゃしねぇ!(仁王雅治)



「えぇのー青春じゃ」


そう全然羨ましそうには聞こえない声で呟いた仁王の視線は窓の外に向けられていた。


「なに?」

「あれ」


指差された先には切原君と少し背の低い可愛らしい女の子がいる。


「ホントだ、青春してるね」

「じゃろ?」


苦笑混じりに笑い合う。

私達の視線に気付きもせずに、切原君は彼女にちょっかいを出しては彼女が少し顔を赤くして可愛らしく怒っていた。


「私もときめきたーい」

「んじゃ、俺と青春してみん?」


顔を仁王に戻せば、滅多に見せない穏やかな表情の仁王がいた。




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