お題 | ナノ

「終電ですよ。」(柳生比呂士)



肩を揺すられて目を覚ました。

いつの間にか、寝てしまっていたらしい。

目の前には出発しようとしている電車。


「えっあっ何時っ!?」


慌てて時計を見るけれど、時既に遅し。


「今の…」


起こしてくれただろう人を見あげれば、知り合いで驚いた。

いつもの仕草で眼鏡を上げたのは、紳士の柳生。


「終電ですよ」


爽やかに言い放たれた言葉に私は愕然と固まった。



(いや、君はどうやって帰るのよ)

(私は徒歩通学の範囲ですから)



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