お題 | ナノ

かき氷といえばコレ(芥川慈郎)



寝ている慈郎の横でシャリシャリとかき氷を食べる。
本当は屋台のかき氷が食べたかったんだけど、我慢。
寝てるとは言え、慈郎と離れるのはイヤだし。


「ん〜」


慈郎が寝返りを打って、こっちを向く。
少し開かれた瞼は完全に覚醒していないながらも、私の方を向いてる。


「あれ?なに食べてるの〜?」


まだ完全覚醒はしてない。
ほわほわした口調で喋る慈郎がそれを物語っている。


「かき氷。慈郎も食べる?」


無言で口を開く。
慣れた仕草で慈郎の口にかき氷を入れた。


「冷たE〜」

「だろうね」


すり寄ってきた慈郎の頭を撫でて、私はシャリシャリとかき氷を食べ続けた。




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