お題 | ナノ

頭も冷やしておいで(海堂薫&桃城武/三年引退後)



例によって例のごとく、我が青学テニス部の海堂新部長と桃城新副部長が口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩に発展しそうな感じだ。
休憩用のドリンクを作りにきた水道からその様子を見て、私は溜息を吐いた。


「先輩」

「仕方ないなぁ…」


後輩が怯えるからやめてほしいというのが正直本音だ。
幸い、まだ薫と桃はコートのあるフェンス内には入ってはいない。
水道の隣に放置してあるバケツに水を半分くらい入れて徐に2人に駆け寄った。


バッシャーンッッ


景気のいい音と共に水しぶきが辺りに散る。
私よりも身長の高い2人をしっかりと睨み、人差し指を突きつけた。


「後輩が怯えるでしょうが。2人とも偉い役職ついてんだから、顔洗って出直してきなさい!」


大声で怒鳴ると、2人は目をパチクリさせて私を見る。
その顔はだんだんすまなそうな顔に変わる。


「顔を洗ってくる」


2人が水道に向けて歩き出した。


「ついでに頭も冷やしてきなよ。あと、」


ニヤリと笑う。


「規律を乱した罰。海堂部長、桃城副部長、校庭20周」




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