お題 | ナノ

言葉に出来ない憎悪(立海)



ある病室を通りかかった時だった。

確か中学生の男の子が入院している部屋。

中からは沢山の声が聞こえていた。


「……怖い…」

「…20パーセント…………」

「テニス………」


ところどころしか聞こえなかったけれど、なんとなく事態を把握した。

おもむろにドアを開ける。

突然の第三者の突入に中の少年(だと思う)達が固まった。


「20パーセントも可能性があるヤツが泣き言言ってんじゃねぇよ!!こっちはあと半年保つかわかんねぇんだよっ!!」


それだけ言って走り去る。

あぁまた寿命が縮まってしまう。

でも、確かにムカついたんだ。

20パーセントの可能性が残っている彼に。




(c)A.M 0:00