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木かげでひとやすみ(仁王雅治)



興味のないフリ。
クールなフリ。
誰よりも熱い人。
彼が暑さにも寒さにも弱いのを知っているのは部員でもレギュラーくらい。
真田は煩いけど、幸村はふらりと彼が消えてもあまり文句を言わない。
理由は簡単。
人に弱みを見せない彼がふらりと消える時は限界の時だから。


「お疲れ様、仁王」


洗いたてのタオルを多少陰が動いても日除けになるように被せて仁王に背を向けた。


「私は真田を誤魔化すとしようかな」


休憩はもうすぐ終わってしまうけど、真田を誤魔化せばもう少し仁王は休めるだろうから。
飄々として戻ってくるまでこの木陰は秘密にしよう。



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