14話




全校下校の時間じゃったから、幸村の提案で移動することになった。

幸村だけじゃなか。

この場にいる全員が三井を知りたいって思っちょった。

俺は正直謎が解ければ、それでよかった。

三井の言う“まさはるくん”は、俺じゃなか。

いっちゃん最初に呼ばれた時、三井が見せた絶望が、わかる気がしたんじゃ。


「どこに行こうか」

「ファミレスぐらいしかないだろ」

「そうッスよねー」


三井は居心地悪そうに俯いたままじゃ。

丸井はそんな三井を気遣って歩いちょる。

正直言うて、ブンちゃんのそういう姿は珍しか。


「あのっ…」

「三井さん?」

「良かったら、ウチにどうぞ。この人数くらいなら大丈夫ですから」


三井の申し出に、幸村と参謀が顔を合わせて、頷く。

決まりじゃ。


「お邪魔させてもらうよ」


俺らはそんまま、三井ん家に行くことになった。





俺を視界にいれんようにしとる

それに気付いて

チクリ胸が痛んだ気がした



知らぬ街に降る雪は
Side:Masaharu




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