13話




保健室の前に着くと、中から派手な音が聞こえた。

誰かが暴れている、そんな音だ。


「丸井先輩とその転校生の、三井先輩…?しか居ないんスよね?」

「ということは、どっちかが暴れとるっちゅうことじゃの」

「冷静に言ってる場合かよ、仁王」


呆れたようにジャッカルが言うが、仁王は飄々と笑ってみせた。


「放してよっ!!助けてっまさはるくん」

「落ち着けよ」

「まさはるくん、まさはるくん!!」


幸村が保健室の戸を開ける。

三井が叫ぶ名前に、全員が仁王に注目した。


「俺は関係なかよ」

「さくら!」


仁王がそう言ったのと、丸井が三井の名前を呼んだのはほぼ同時だった。

呼ばれた名前の声の大きさからか、ビクリと肩を揺らして、静かになる。


「落ち着いたかよぃ?」

「丸井君…?」

「あぁ」

「私、何か…」


キョロキョロと保健室内を見渡し、三井の表情が引きつる。


「また、やっちゃったんだ」

「また?」


三井の肩を掴んでいた丸井が手を離し、不思議そうに問う。

その会話は俺達に気付いていないようだった。


「三井さん、大丈夫かい?」


幸村が訊くと、丸井と三井が振り向く。

やはりというか、今はじめて俺達を認識したようだった。




関わったことを

後悔するのは


もう少し先




知らぬ街に降る雪は
Side:Renji




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