9話




俺が三井さんが倒れたのを知ったのは昼休みだった。

知る原因は、お昼を食べにいつもなら来る丸井が来なかったことと、柳と柳生が休み時間に三井さんを訪ねたという報告。

彼女は柳達に話をすることを断ってすぐに倒れたらしい。

丸井はその彼女に付き添っているそうだ。

話に聞いていた関係からは考えられないことに、俺はただ驚くことしかできなかった。


「ブンちゃん授業にも出とらんのか?」

「みたいですね」

「授業に出んとは…」


真田は丸井が授業に出ていないことに怒っているようだけど、俺はどうしても怒る気になれなかった。


「彼女、大丈夫なのか?」

「保健室に寄ってからここに来たのですが、どうやら倒れてから一度も目覚めてないらしくて」

「丸井の顔色の方が悪かったがな」


柳生の覇気がないのは自分達の所為で倒れたかもしれないからだろう。


「そうか、心配だね。三井さんも、丸井も」

「すみません、幸村君」

「彼女が倒れたのは俺達の所為だろう。すまない」


確かに柳達が彼女に話を聞きに行って倒れたのだからそうなのかもしれない。

彼女をそこまで追い詰めた?

彼女は何に追い詰められたんだ?

わからないことだらけだ。



今なら言える

俺達が

君を

追い詰めたんだ



知らぬ街に降る雪は
Side:Seiichi




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