23 君の居た場所
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タクシーを降りて地面を踏みしめる。
留学前に着ていたブレザーではなく、淡いグリーンを基調としピンクのリボンがアクセントとなったセーラーは自分には似合わないモノに感じる。
ふわふわと愛らしいイメージのあるゆめはさぞかし似合っただろう、と、一つ溜息を零した。
見上げた先にはこれから私が通う『青春学園中等部』がそびえ立っていた。
「こんな形では来たくなかったわ」
あの子の通っている学校に興味はあった。
テニスが強いというのも、日本にいた頃から知っていたし、現・部長に関してはその頃から頭角を顕していた。
「出来ることなら」
呟いて、目を瞑った。
(貴女の笑顔と共に来たかったわ、ゆめ)
私の復讐が始まる
勝つのは私
負けるのは
貴女よ
佐倉愛美