16 笑む少年と真実の神
暫く見つめ合っていた立海メンバーと少年だったが、漸く柳が口を開く。
「お前は?」
「あ。ご紹介が遅れまして。理緒と申します」
「うむ。俺は真田弦一郎だ」
「柳さんに桑原さん、丸井さん、仁王さん、柳生さん、切原さんの幸村さんを除いたレギュラーさんで間違いないですか?」
「間違いない」
理緒はその場にそぐわないニコニコとした笑みを浮かべる。
「近々、正式に挨拶することになると思いますので、お見知り置きを」
「近々?」
「えぇ、近々です」
とても嬉しそうにニッコリと笑う理緒に全員が訝しげに顔を見合わせた。
「理緒様っ!」
「あ、佐久間さん」
理緒が佐久間さんと呼んだ人物はどうやらお手伝いか何かの人のようで、全員に会釈をすると、構わずに理緒に話し始める。
「お嬢様がお呼びです」
「わかりました。では、立海の皆様、あなた方にマリス・ローダの御加護がありますように」
理緒はそう言って、会場の中へと小走りで去っていった。
残されたメンバーはただただ首を傾げ、顔を見合わせるしかなかった。