怖い顔した男が4人。

何故か、オレの部屋で、顔を突き合わせていた。

そういや、このメンバーが集まるのは、みつきが死んでからはじめてだな。

そんなことをぼんやり考えていたら、全員の妙な落ち着きのなさに気付いた。

小十郎をちらちらと気にしている真田。

小十郎を睨むように見つめる元親。

居心地悪そうにしている小十郎。

そんなこいつらを観察しているオレ。

ただ一人、猿だけが落ち着き払っていた。



「片倉殿・・・」



沈黙を破ったのは、真田の声だった。

全員の視線が真田に向く。



「重要参考人の一人に片倉殿の名前が挙がっているのだ」

「「っ…」」



俺と、小十郎の、詰まるような声が重なった。

元親の肩が、ピクリと跳ねる。



「みつき殿が、誰かに携帯で話をしていたのを、覚えてた人が居たらしい。それで、片倉殿に会いに行くと…」



よくそんな都合良く覚えてたヤツが居たもんだと、感心する。

小十郎を見れば、珍しく目を見開いて、驚きを露わにしていた。



「みつきが、俺に会いに……?」



信じられない。

小十郎の目がそう語っていた。



「随分、演技上手なんだな」



それまで黙っていた元親が、敵意丸出しの口調で言う。



「どういう意味だ?」

「そのまんまだろ?」



小十郎の問いに返された声は、元親のものだと思えない位に冷たかった。



「俺が、みつきを…。お前は、そう思ってるってことか…?」



この問いに声は返ってこなかったが、睨むように向けられた元親の視線に、それは肯定されてた。



「違うよ」



突然、この場には居ない慶次の声にこの部屋の唯一の入り口を見遣れば、慶次と毛利がそこに立っていた。





みつきが居なくなっちまったことでポカリと開いた傷口が、

痛んだ・・・・・・。





迷い込んだ展覧会
ファンタジー「クラシック」(c)ARIA
write by99/2010/01/05
⇒To be continued.




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